海外からの情報について:その 2「クリニカルアロマセラピーとは?」
更新日:2023年10月13日
【言葉から受けるイメージ】
はい、プレッシャーに打ち勝ち??
その2でございます。
英国にて日本についての情報を目にするときに
「え?」と思うことが 沢山あります。
特に最近は
SNSの影響からか、
確かに日本にあるものだけれど
日本人でも知っている人は少ないであろう
伝統芸術や
食べ物
アイテムなどといったものたちが
いかにも「日本では知らない人はいないほど有名」みたいな感じで
少し誇張した扱いで紹介されていたり、
やや誤った形で紹介されて、そのまま広まってしまっていたり
(といっても、まこれもSNSの世界とかであれば一時的なものでしょうが)
と、なんかボタンの掛け違いみたいな感じに似た、
すっきりとしない気持ちになる事も日常茶飯事です。
そしてこの様な「なんとなくこれ違う感」という「感」は
日本における欧米諸国からの情報、 ファッション、食べ物等でも多く
見られますし、
自然療法の世界でも同じ様なことが起こり得ることもあるでしょう。
でも呟きましたが
同じ国に住んでいても
発信する者の立ち位置によって
情報にもズレが生じます。
私自身、
学生時代
ハーブショップ勤務時代
セラピストメインの仕事になってからとで、 「英国の自然療法について」を
伝える視線が変わったなぁとヒシヒシと感じます。
例えば
アロマセラピーについて
気になる事を少し書き留めてみます。
私は今現在、
ロンドン中心部からも程よい距離にある住宅街にあるセラピールーム(センター)にて働いております。
アロマセラピーも提供させて頂いておりますが、 「施術」にも色々な形がありますよね。
私の様に地元に密着した形で施術をする者、
この他にも、スパなどの施設で施術を提供する者や、
ホスピスや癌病棟等で施術を提供する者など、
アロマセラピーの施術一つとっても、
どの様な環境で行なっているかによって
同じ国で行なっていても
その仕事内容はもとより、
求められる責任やレベル、 そして施術を
受けるクライアント様からの
アロマセラピーという施術に求めているイメージや希望も
非常に大きく異なってきます。
日本の業界誌やネットを見ると
「クリニカルアロマセラピー」
「メディカルアロマセラピー」
などの言葉を見つける事も多いですよね。
「クリニカル」「メディカル」という言葉がつくことで
“アロマセラピー” とは少し異なったイメージを私たちは持つかと思いますが
実際のその中身は?どんな感じなのでしょうか?
クリニカルな現場で使われる意味でしょうか?
臨床などをされているという意味でしょうか?
治療に使うアロマセラピーでしょうか?
病院や治療に使われている場合、その施術を行う者は「医療従事者」としての知識や資格を持っているのでしょうか?
アロマセラピーの現場にいらっしゃらない方からは
「クリニカル」や「メディカル」といった言葉から
この様なイメージを持たれる方も多いかもしれませんよね。
「クリニカルアロマセラピー」を日本語訳にすると 臨床アロマセラピー となります。 以下PubMed(パブメド)に掲載されていた情報より: Clinical aromatherapy 臨床アロマセラピーは代替医療のひとつであり、入院・外来を問わず、疼痛、吐き気、一般的な健康状態、不安、抑うつ、ストレス、不眠などの症状管理に有効である。術前の不安、腫瘍学、緩和ケア、ホスピス、終末期にも有効である。 Nurs Clin North Am. 2020 Dec; 55(4): 489–504.
Published online 2020 Sep 28. doi: 10.1016/j.cnur.2020.06.015
PMCID: PMC7520654
PMID: 33131627
Clinical Aromatherapy
Ashley J. Farrar, BSN, RNa and Francisca C. Farrar, EdD, MSN, RNb,∗
Author information Copyright and License information PMC Disclaimer 私がアロマセラピーを学びはじめた時代には
クリニカルと呼ぶ名のコースは(私が知る限り)存在しませんでしたが 英国でもスクールによって アロマセラピーの資格コースの名前を 「クリニカルアロマセラピー」と名付けているところが
かなり増えている印象を受けます。
(以前は普通にアロマセラピーコースとの名称であったコースも
内容の見直し等を得て、名称を「クリニカルアロマセラピー」
変更された というパターンもあるかと思います)
「アロマセラピーの資格コース」と「クリニカルアロマセラピーのコース」と
何が違うのか? と聞かれますと
明確な答えを出すことは非常に難しいですよね。
クリニカルとは名前に付いてなくても、
精油の知識を深く伝えるコースであったり
症状別、成分別等、より詳しい学びを伝えるコースであったり
する可能性もありますので、
各コースの提供機関・スクールにしっかりとコース内容を
問い合わせることをお勧めします。
またクリニカルアロマセラピーのコースは、アロマセラピーに関する資格コースであり
医療従事者になる為のの資格コースではありません。
では 「メディカルアロマセラピー」 に関してはどうでしょうか?
正直、この言葉を使う機会は私の場合は 殆どありません。 コース名にも私の知る限り存じ上げないのですが、英国にお住まいの皆さま? ご存知でいらっしゃいますか? いかがでしょう? 「メディカルアロマ」という言葉は 日本では割と広まっているのでしょうか? 同じ言葉でも住む国によっては
そこから持つイメージやその言葉を使う 「責任」と言う物が異なってくるので
ここら辺は誤解を招く事もありそうですよね。
このように、英国のアロマセラピストを育成する機関では 「クリニカルアロマセラピー」という言葉は 定着しているのですが、 英国の病院やホスピスなどで
アロマセラピストの募集がある時に
「クリニカルアロマセラピスト募集」
とは掲載されません。
病院というクリニカルな現場ですが、
ポジションはあくまで
「Complementary Therapist」
「アロマセラピスト」
となります。 患者さまへの”アロマセラピー”についての 紹介文には”クリニカルアロマセラピストが行います”とは 記載されておりますが、 おそらくそこまで気が付かれる方は少ないかもです💦
仕事自体は、病棟やケアチームとのコミュニュケーションの元、患者さん達の受けられている治療、状態などを把握してしつつ、リスクマネージメントも行いつつと、 セラピーだけで無く、医療面の知識も求められます。
精油の選び方、タッチングケアも
緩和ケアや治療中のケアに適した
形をセラピスト自身が選択する知識と経験が 必要になる仕事です。 この様に実際に医療の現場で勤務されている
アロマセラピストさん達ですが、
患者さん達からはやはり
「マッサージセラピスト」「アロマセラピスト」
という名称で認識されており、
「クリニカルアロマセラピスト」という
名称での認識は残念ながら低いかと感じます。
この様に、
私自身もそうですが、 セラピーの現場にいると 時々セラピスト以外の方々との認識の差を
感じることが多いですよね。 また、クリニカルやメディカルなどはじめとして 国によって 同じ言葉でも受け取られる 意味合いが異なることもありますので 発信する時には気をつけたいなぁと思う今日この頃です。 .............................................................
【対面講座・奈良】
・11月28日
初心者向けのハーブ講座(チンキ剤についてのご紹介もいたします!)
及びダイジェスト版の婦人科系の不調へのハーブのアプローチ講座
詳細は→ 香薬房 様のブログページをご参考ください。
🔰初心者様そして
テキストでは学んだことがあるけれど
しっかりと使いこなせるように個々のハーブをしっかり学びたい皆様へ:
→
個々のハーブの使い方、キャラクターを含め
じっくり学べる(プロが使うチンキ剤もサンプルにお持ちしますよ〜)
Comments