はーぶとは?

ハーブは料理に使ったり香りを楽しんだりという香草としての役割のほかに、植物の効能を利用して治療に使う「薬草」としてのもう一つの顔があります。
「メディカルハーブ/Medicinal Herbs」(英語ではメディシナルハーブ/メディシナルプラントなどと呼ばれます)と記載されている場合は、その中でもとくに薬効を期待して「薬草として」使われる種類を指しています。
日本で親しまれている東洋医学の漢方薬や中医薬でも薬草が使われますが、これももちろんメディカルハーブです。ほかにもアーユルヴェーダ医学やチベット医学で使われるハーブ、ネイティブインディアンのハーブなど世界中でその土地に生息するハーブが今でも私たちの生活に息づいています。

薬草としてのハーブ

民間薬や伝統医学として数千年の歴史を持つハーブ。
日本で薬草が民間療法として使われているように、ヨーロッパでもハーブ(薬草)は古くから民間で役立てられてきました。ここ英国では、現在もメディカルハーブ(薬草療法)が補足医療の一環として、家庭の伝統治療薬としてまた経験と知識豊かなハーブ治療家によって、私たちの健康を保つための予防薬として、また病気の時に利用する治療薬として使用され続けています。
メディカルハーブの中には薬効があるということで確かに取り扱いに注意が必要なものも多いのですが(そういったものは専門家・メディカルハーバリストの元での取り扱いのみとなります/日本でいうところの漢方薬剤局で取り扱う種類)、今現在、日本のハーブショップなどで出回っている多くのハーブ、カモミールやレモンバーム、リンデンなどは安全かつ取り扱いが簡単で体に優しい種類が多く、さまざまな体の不調に役立つハーブとして毎日の生活の中で気軽に楽しむことができます。
セルフケアとしてハーブショップなどからハーブを買われる方から専門家(メディカルハーバリスト)のもとでハーブ処方箋を受けている方まで、それぞれのニーズに合わせた利用法が幅ひろく存在しています。

メディカルハーバリストとは

現在、世界の国々でメディカルハーバリストが活躍していますが、医療現場でのその「位置づけ」や何を基準に「メディカルハーバリスト」と名のることができるのかは、各国の法律によってことなります。
英国では、薬草の知識と伝統医学を学び、規定の近代医学メディカルトレーニングを受け「診断・治療・処方」に必要となる知識を習得した、個々の症状・体質に合わせた薬草(ハーブ)を処方し病気や体調不良に悩まれる方々の回復のお手伝いをする職業に従事する者のことをいいます。  私たちメディカルハーバリストは「病気を治す」「症状を押さえ込む」のではなく、「本来人間が持つ自己治癒力の向上と心身共の病状に影響している要因を見つけ、その改善を目指し病にかかりにくい身体作りをお手伝いする」治療を目指しています。
その人にとってより良いハーブ処方を作り上げるために、とくにコンサルテーションにはゆっくりと時間をかけます。
患者さんの心身・生活面をふくめた全体像を細かく深く理解することがとても大切なポイントとなり、必要に応じて回復に向けての食生活や生活面でのアドバイスも一緒におこないます。
また尿検査や聴診・触診、脈・舌の状態を参考にしたり、ときには病院での検査を受けることをアドバイスすることもあります。
病気や体調不良を克服する中心となるのは「患者さん自身」であり、「どれくらい・どのように・どうやって」回復を求めるのかは個人によってことなります。
私たちメディカルハーバリストはそのより良いステップを一緒に考え、サポートし、良き相談相手としての存在であることも求められています。患者さんの心や身体の声を聞きとりながら、植物の教えを受けて薬草を選んでいく。それがメディカルハーバリストの仕事であり役割だといえます。

注意!
ハーブを処方することは医療行為となります。医師免許を持たない一般の方がハーブを処方することは法律で認められていませんので、 日本でハーブの知識をどのように職業に生かせるかはご自身で各公共機関などにお問い合わせください。

メディカルハーバリストになるには

英国で「メディカルハーバリスト」をめざすには、まず養成学校に入学することからはじまります。
(*1下記参照)
学校選びは、1864年の設立という世界でもっとも古くから運営されているハーブ医学協会「THE NATIONAL INSTITUTE OF MEDICAL HERBALIST」が認定しているコース案内(*2)を参考にしてください。 私がメディカルハーブのコースを学び始めた年にはCollege of Phytotherapy(School of Phytotherapyが前名)しかありませんでしたが、今では大学でのコースがメインとなってその数も増え、ロンドン市内から地方の学校とロケーションの面でも選択の幅も増えました。

<コース内容&入学資格>
コースの内容や入学資格(英語のレベルも含む)は各大学・専門学校によっても多少違いますので、直接学校へご自身でお問い合わせください。コースは(2008年8月現在)3年から4年間コースが主となっています。各大学ではオープンデーを設け、大学の中を見学したり講座の内容を直接聞くことなどができます。ぜひこの機会を利用して色々な質問をしてみてください。またここ数年で日本人で入学される方が増えてきているようです。

<英語について参考までに>
英語のレベルが・・・とご心配な方も多いと思います。 英語が母国語でない私には英語での授業・課題提出は非常に難関でありました。 大学によってはFoundation courseを設けている学校もありますし、またロンドン市内には、公共・私立の学校で大学入学を目指す人のための英語や医学英語、論文練習などいろいろな目的にあわせた英語のコースがありますのでご利用されるのもいいかもしれません。

<ロンドン市内の公・私立の英語コースを調べるに当たって>
直接大学や専門学校の奨励するコースを聞いてみる他に、Flood lightやHot Coursesなどの各教育ガイドのサイトも利用してはいかがでしょうか? 英語だけではなく、科学や生物のコースComplementary Therapyのコースなども調べることができます。

これらの情報がメディカルハーバリストをめざす方のために少しでもお役に立てばと思います。

(*1)アメリカやオーストラリアなどその他の国の情報は、その国の協会や組織に直接お問い合わせ下さい。
(*2)協会のHP http://www.nimh.org.uk/ Training and Accreditationの欄を参考にしてください。なお、他の団体協会が認める学校はご自身でお調べください。

学校を出てからかなりの年月が過ぎました。同級生だったものが大学のハーブコースで教鞭をとっていたりと現役学生時代からかなり時がすぎており、現在の大学のコース内容・雰囲気などをお伝えする事ができないといった理由から、個人的なご質問・ご相談は受け付けておりませんのでご了承ください。